前所属チームでクイーンズ駅伝3連覇を経験、2015年には北京世界選手権10000m日本代表にも選出された名実ともに日本のトップランナーです。
2016年、その高島がなんと資生堂に入社してくれました。
「当時の資生堂はクイーンズ駅伝に出られなかったチーム。イチから作っていくチームでみんなの力になりたかったですし、当時も強い選手がたくさんいたので、そこで一緒に私も強くなっていきたいと思い、移籍を決めました。取っていただき感謝しています」
圧倒的な実績を持ちながらも、「取っていただいた」という言葉が“謙虚な人柄”を表しています。
資生堂入社後もその力を存分に発揮しています。移籍して間もなく、リオデジャネイロ2016オリンピック10000m日本代表として再度日の丸を胸に走っただけでなく、チームをクイーンズ駅伝出場に導き、そこで3区区間賞の走りを見せ7位入賞へと大貢献しました。
「恩は結果で返さないといけないと思っていて、2016年は実業団に入って一番頑張れた年でした。だからこそリオのオリンピックにも出られたと思います。クイーンズ駅伝で7位に入った時は過去に優勝した時以上に嬉しかったですね」
Getsuriku
「“自分のためだけ”には頑張れない」と高島は常々言っています。駅伝ではタスキを待っている仲間がいるからこそ苦しくても頑張れるし、個人のレースでも頑張れているのは、社員からの応援を肌で感じ、会社のために走りたいと思うからこそです。
気の優しい姉御肌。いつもと様子が違う後輩がいれば、声を掛けてジョギングに誘い、走りながら話を聞くだけでなく、日頃からマネージャーの仕事を率先して手伝うなど、トップ選手でありながら周りのために気を配り、行動できる選手。常に自分が周りに何ができるのかを考え、後輩たちからアドバイスを求められれば喜んでそれに応える。それが高島です。
「強い選手は受け身ではなく、自分から情報や知識を求めます。今のチームにはそうした選手が多いので、これから強くなりそうな期待感があります」
座右の銘は「継続は力なり」。20代前半の時期は結果が残せず、自己ベストが更新できない時期もあったそう。地道に競技を続け、日々やるべきことを愚直に取り組んできた結果、「日の丸」まで辿り着いた“その経験”をみんなに伝えていきたいと静かに語ります。
Getsuriku
競技から離れれば、韓流ドラマにハマっている話好きなひとりの女性の素顔があります。
「休みの日は予定がなければずっと家に引きこもって見ています。よく近付きづらいって言われますが、そんなことなくて、話しかけてもらえればめっちゃしゃべりますよ(笑)」
資生堂への恩返しは終わっていないとのこと。今の最大の目標はクイーンズ駅伝で優勝することです。2022年度は駅伝主将に就任。チームを高みに引き上げるためこれまで以上に真摯な姿で競技に向き合い、他の選手の手本となっています。
「このメンバーならば絶対にできると思っています。もし優勝したら嬉しくて泣いてしまうと思いますね」
高島は「チームのために」、「応援してくれる方のために」、これからも走り続けます。