前田海音は入社前に資生堂のオフィスを訪れた際に見たある光景が入社への決意となりました。
「会社にいろんな人の笑顔の写真が貼ってあったんです。自分も常に笑顔でいたいと思っているので、いい会社だな、ここで頑張りたいなと思い、入社を決めました」
その写真は資生堂が「LOVE THE DIFFERENCES(違いを愛そう)」のスローガンで進めるダイバーシティ&インクルージョンの施策のひとつで、人種や国籍、その人の持つ価値観などを問わず、皆が笑顔で働く姿を表したもの。そこに前田は魅力を感じたといいます。
鹿児島県屋久島出身。名前が示すとおり、海に囲まれた世界自然遺産の中で育ち、小学生から地元のクラブで走り始めました。地元への愛は今でも強く、好きなものは屋久島の夜空。帰省し、満点の星空を見ると心が落ち着くと話します。
東京では大好きなさつま芋の美味しい店を探して食べに行くこともあります。のんびりとした性格で、話し方もゆっくりです。
「ナマケモノが好きなんです。見た目もかわいいし、周りに流されず、自分のペースで生きているところがいいですね」
配属先は資生堂が展開する事業所内保育施設、株式会社KODOMOLOGYのカンガルーム汐留。
そこで保育士のアシスタントを務めています。子どもたちのかわいさを見て日々、笑顔をたやさず働けるこの環境を気に入っていて、合宿などで少し留守にした間に大きく成長する姿を見るのも楽しみだと言います。
話し方も生き方もマイペースな前田ですが、競技になると表情は一転。キリッとした表情を見せ、時に強気の姿勢を見せます。
「自分でも負けず嫌いだなと思います。走っている時が一番楽しいし、もっと速く走れるようになりたいんです」
そのギャップに魅了され、勤務するカンガルームにはファンが多く、愛されキャラとして応援されています。ただ本人は現状に危機感を抱いており、今の自分にもどかしさも感じているようです。
「4年目になってチームを引っ張っていきたいのにまだまだ引っ張ってもらうことばかりです。自分の入社1年目には先輩が色々教えてくれたのに、今の自分は後輩が入ってきたのに何も教えてあげられていないし、走りの面でももっと頑張らないといけないと思っています」
2019年のプリンセス駅伝6区を担い、クイーンズ駅伝出場に貢献しました。前田が駅伝を走る時には屋久島では島内放送で告知され、皆がテレビの前で声援を送ります。地元のためにも、会社のためにも、何としても駅伝で戦力になりたいと意気込んでいます。
「地元や会社でたくさんの方が自分を応援してくれています。その期待に応えられるようにもっともっと頑張って結果を残して喜んでもらいたいです」
それができた時には私たちは前田の最高の笑顔を見ることができるはずです。