第80回大会で大場康成が5000mで優勝
1996年6月に大阪の長居競技場で開催された第80回日本陸上競技選手権大会で大場康成選手が5000mで優勝した。 この大会はアトランタ五輪の最終選考会となっていたが、スローペースで流れた男子5000mで、大場選手は落ち着いたレース運びで 見事に優勝。日本一に輝いた。スローペースのため五輪標準記録の突破はならず、残念ながら代表には選ばれなかった。
『無欲の勝利』という言葉に対して、『有欲の勝利』(勝ちに行って勝つこと)を達成する難しさは、 皆さんも想像が出来ると思います。当時の私の目標は「日本選手権の『有欲の勝利』」でした。 日本選手権はどうしても縁が薄く2位2回が最高。勝てそうなときに限って予選落ちをしたり、 レース3日前に盲腸になったりと散々でした。 そんな中、96年の日本選手権は当初から勝ちを意識しており、思惑通り勝つことが出来ました。 2位とのタイム差は1秒もありませんでしたがタイム差以上の圧勝であったと思えるくらい自在なレースが 出来ました。生涯の中で最高のレースだったと思っています。