大舞台で多くの勝利を積み上げてきた選手です。
「日本代表として走るため、練習に集中できる環境を求めて入社しました。思っていた以上にサポートしていただいていて、今の自分があるのは資生堂のおかげだと思っています」
2019年に前所属チームから移籍すると、早速、同年のドーハ世界選手権5000mに出場を果たしました。一気に勝負を決めるキレのいいラストスパートが武器のスピードスターとして、他の選手からも一目置かれています。
中学2年でのジュニアオリンピック1500m、翌年には国体同種目を制するなど、早くから世代トップで活躍してきたエリートランナー。日本選手権は2度の優勝経験もありますが、本人は、「今でも試合前は緊張で不安になることが多く、メンタルは決して強くないんです」と課題を口にします。自信を持ってレースを走るためにはどれだけ練習を積み上げてきたかが大切。だからこそ毎日のトレーニングに真摯に取り組み、ストイックに理想の走りを追い求めています。
「走ることが好きだし、結果も求めたい。日本のレベルはどんどん上がっているので、もう一度スピードもスタミナもベースを作り上げていかないとトップには戻れないと思っています」
座右の銘は「Going my way」。誰もが驚く記録を出すことが当面の目標です。その先に再度の世界の舞台があると信じて、自分の道をひた走ります。
Getsuriku
2022年度はチームの副キャプテン。前年にキャプテンを務めた経験もあり、引き続き、チームを牽引する存在です。過去に区間賞経験もあるクイーンズ駅伝では走りでチームを引っ張るつもりです。
そんな木村にとって、「強く、速く、美しく。」の資生堂ランニングクラブのスローガンはまさに自身の目指すべき姿。その実現のためには競技力だけでなく、気持ちの強さが必要だと考えています。
「アスリートが表現できる美しさは、苦しくなっても諦めない姿だと思います。そこは勝っても負けても忘れてはいけないところだと常に意識している部分です」
駅伝は頼れるスタッフや選手がいるため、トラックよりリラックスして走れると言いますが、いつも共通していることは、「走るからには1番を狙う」というところ。勝負にこだわる姿勢に変わりはなく、練習や日々の生活から、その姿勢を背中でいつも見せ続けています。
ファッション全般に興味があり、オフはよくショッピングに出かけます。最近は料理教室にも通うようになりました。
「友達に誘われたのがきっかけで行くようになりましたが、多国籍料理を作るのが楽しいんです。家に帰ってから作ったことは数回しかないですけど(笑)」
料理を作っている時は集中しているので競技のことは忘れられるため、「いいリフレッシュの時間となっている」と笑って話してくれました。
以前は自分自身で練習メニューを立てていましたが、近年は青野宰明ヘッドコーチのメニューに取り組むようになりました。客観的なアドバイスを受ける機会も増え、自分自身のさらなる成長の可能性に手ごたえも感じています。フィジカルトレーニングの成果でフォームもより洗練されてきました。まだまだ可能性を秘めるスピードランナー。
もう一度、世界へ羽ばたく日はすぐそこに迫っています。