中学1年から3年連続で全国中学駅伝に出場。うち2度で優勝した駅伝の申し子です。
「資生堂に入社を決めたのは岩水嘉孝監督はじめ、スタッフの皆さんが私の力を信じてくださったから。“可能性を秘めている”って言われたのが嬉しかったんです。それに私の大学では資生堂に進む学生が多く、働きがいのある会社と聞いていたことも理由のひとつです」
駅伝での活躍だけでなく、高校2年生の時には世界ユース選手権1500mにも出場しています。高校までは陸上中心の生活を送りましたが、慶應義塾大学では SDGsについて学生視点で企業に提案し、共同研究や調査分析などにも積極的に取り組んできました。
「私は性格的に突き詰めてしまうタイプなんですが、大学の間は勉強と陸上はその時々でウェイトの置き方を考え、取り組んできました。陸上一辺倒ではなく、学ぶことの多かった4年間だったと思います。」
同時に関東インカレ1500mでも優勝し、文武両道を果たしています。
現在はD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)戦略推進部に勤務し、性別や年齢などに関係なく、すべての社員が活躍できる環境づくりのサポートに従事します。
「私自身は能力があればどんな人でも活躍すべきという考えを持っているつもりでしたが、それでも無意識のうちに男女の役割など無意識の思い込みがあることに気づかされました。そうしたものをなくしていき、発信していくお手伝いがができればと思っています」
勤務先(D&I 戦略推進部)の皆さん
仕事も充実していますが、入社2年目の2022年度はチームのキャプテンに就任。競技への意識はより高まっています。
「大学では競技と勉強を50:50もしようと決めました。その生活は充実していましたが、競技面では満足できる成績は残せなかったという思いがあります。私は走るのが好きというより、勝つことが好きなんです。そして一番自分を表現できるのが陸上だし、それを最高の形で発揮できるのは今しかないと考えています」
「仕事ももっと頑張りたいのですが、そこまで器用ではないので」とやや残念そうに笑います。しかしバランス感覚を備え、冷静な判断ができるのが樺沢らしさであり、自分で決めたことに対して妥協しない姿勢も彼女の強みです。そして自分の考えを貫く芯のある女性像こそアスリートしての美しさであり、「強く、速く、美しく。」という資生堂ランニングクラブのスローガンの体現だと考えています。それを走りで表現するつもりです。
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持ち味はラストスパートの切れ味。課題は中盤に苦しくなってから我慢できる粘りをもっとつけること。駅伝でも存在感を見せると意気込んでいます。
「まだまだチャレンジする立場だと思いますが、チームのスタッフや先輩たちに安心して見てもらえる走りをしたいですし、1日も早くチームを引っ張る立場にもなりたい。そして将来的にはマラソンに挑戦したいと思っていますし、国際大会にも出たいです。理想は1度ではなく常に日の丸をつけられる選手となり、安定して結果を残せる選手を目指します」
そしていつか資生堂を象徴するランナーになりたいと目を輝かせます。
競技から離れれば子供の頃からやっている書道の腕を生かした写経が趣味。器用ではないと本人は謙遜しますが、何事にも全力で奥深く取り組む選手です。